骨董市にて・２

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大須観音骨董市に最初に行ったのは
もう２０年以上前になる。
もっとも皿だの壷だの買ったことはない。
何年たっても１００円のものも１００万円のものも
見分けがつかないし。
たいていは覗き見て歩くだけ。
そういう意味では今回の件も、たまには出費もしなけりゃ
骨董店さんにも悪いし、と納得すべきか（笑）。

それに、買わなかったら買わなかったで
「あのとき買っておけば」
とモンモンとしただろうとも思う。
だから・・と、こう思っちゃうのが
すでに骨董市の思う壺に嵌っているということ
なのかもしれないが（笑）。

けれども実際に２０年前に買わなくて、いまだに
あの時に買っていればもしかして、
と思いかえするものがある。

隠れキリシタンの十字架。

無造作に転がしてあった。
説明書きとか値札とかは無い。
店主さんに値段を聞いてみたら
「７万円」とのこと。
買えなかった。

流石に、本物なのか、長崎あたりの土産物が錆びただけ
のものなのかわからんものに７万円は払えなかった。
断腸の思いというほど悩んだわけではない。
しかし・・未だにあの十字架の真贋には思いをはせる事がある。
その後、どこの骨董市でも同種のものを見かけないのにも、
いっそうその思いを強くさせられる。

まあ、今じゃヤフオクあたりでも隠れキリシタンの十字架とかが
数千円くらいで出品されていたりするのだが（笑）。
でも私が見たやつは、ヤフオクとかに出ているものより
全然野暮ったくて平面的で見栄えが悪かった。
それだけにかえって
「ああいうのが本物だったりするのでは？」
と思ってしまう面はある。
わかっちゃいるけど危ない兆候だ（笑）。

また来月も骨董市に行くつもり。

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