「独走」堂場瞬一・著 [読書]
警察物の作品で有名だが、
野球やマラソンなどのスポーツを舞台にした物も多数書いていらっしゃる
堂場先生の2013年の作品。
以前に堂場先生の「チーム(箱根駅伝に学連選抜で出場する寄せ集め集団の物語)」や
「ヒート(チームの続編的作品。最初から世界記録樹立を狙って企画されたマラソン大会の物語)」
を読んだがとても面白く、今回
「柔道のオリンピックメダリストがランナーを指導する物語がある」
ときいて、これは読まずにいられない、早速読んでみた。
感想・・面白かったけれど微妙
読む前に予想していたストーリーは
「メンタルが弱いランナーを、柔道家が武道精神を叩き込んで成功するスポ根物。」
だったのだが、実際には
「個人の意思や個性にまで干渉するスポーツ行政へのアンチテーゼ」
といった感じだった。
柔道は、武道としてよりも、近代スポーツ行政が良くも悪くも浸透仕切った存在として
物語的にはどちらかというと悪役みたいな立場。
その辺が柔道経験者としてはちょっと微妙だったのだけれど、
そういう目でみたら実際にそうかもしれんなあとも思ってしまった。